【令和9年度 補助金】厚労省「医療分野における業務効率化・勤務環境改善に関する事業」と基金動向について
厚生労働省の令和9年度予算概算要求において、医療従事者の確保と働き方改革を推進するため、大型の予算措置が講じられました。現在、次年度に向けたICT機器や見守り機器の導入計画を立てるにあたり、「医療分野における業務効率化・勤務環境改善に関する事業」に関する情報を収集されている医療機関様が増加しております。
本記事では、厚生労働省の最新動向に基づき、令和9年度に見込まれる補助金(地域医療介護総合確保基金)のポイントと、医療機関が今から準備すべき具体的なアクションについて解説いたします。
1.「医療分野における業務効率化・勤務環境改善に関する事業」とは
「医療分野における業務効率化・勤務環境改善に関する事業」は、ICT機器等の導入によって業務効率化・職場環境改善に資する取組を行い、生産性向上を図る病院に対して、必要な経費を支援する補助金です。
これまで国は、令和8年度実施の「医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業(令和7年度補正予算)」などを通じて、病院のICT導入を後押ししてきました。
令和9年度以降の大きな変化として、こうしたICT導入支援が単発の補正予算ではなく、「地域医療介護総合確保基金(医療分)」のメニューとして位置づけられる見通しです。これにより、各都道府県の計画に基づいて中長期的に支援が継続されることとなります。病院は単年度のスケジュールに急かされることなく、中長期的な視点で「どの病棟に、どのICTを入れ、どう勤務環境を改善するか」という計画を立てることが重要になります。

2. 新たな「厚生労働大臣認定」制度の創設
補助金とは別に、令和8年に成立した改正法により、業務効率化・勤務環境改善に積極的・計画的に取り組む病院を「厚生労働大臣が認定」し、特定の表示を行える仕組みが新設されます。
これに伴い、国は「医療分野における業務効率化・勤務環境改善に向けた調査・支援事業」を実施します。認定を希望する病院の計画審査や、重点的な支援が必要な病院に対する実地支援(ICT導入の課題抽出・訓練等のサポート)を国主導で行う体制が整えられます。

3.補助対象として推奨される「見守り機器」等のテクノロジー
令和8年度診療報酬改定において「ICT等の活用による看護業務効率化の推進」が大きなテーマとなりました。
見守り機器・センサーを導入することで、夜間巡視の負担軽減や、転倒・転落の早期発見が可能になります。これらは要件を満たすための強力なツールとなり、基金を活用した整備が推奨されています。
4.今後の想定スケジュール
実際の補助対象や補助要件は、財源となる各都道府県の計画や公募要領によって決定されますが、現時点では以下のスケジュールが想定されています。
- 2026年(令和8年)12月末: 国の予算案の閣議決定。
- 2027年(令和9年)1〜3月: 予算成立。
- 2027年 初夏以降: 各都道府県での基金等に基づく事業要綱発表・公募開始。
5.令和9年度に向けて「今すぐ始めるべき準備」
来年度の公募開始を見据え、各医療機関におかれましては以下の準備を早期に進めることが推奨されています。
- 現場の課題の洗い出し どの業務に最も時間がかかっているか、見守り機器等で解決できるか検討する。
- 「勤改センター」への早期相談 各都道府県に設置されている「医療勤務環境改善支援センター(勤改センター)」の体制が拡充され、ICT等導入に係る「総合相談窓口」が設置されます。同窓口を活用し、自院の課題や導入機器に向けた助言を求めることが有効です。
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